分かりやすいプレゼン資料の作り方:無料オンラインツールを活用した入門ガイド
分かりやすいプレゼン資料の作り方:無料オンラインツールを活用した入門ガイド
大人の学び直しを支援する「学び直し実践ナビ」へようこそ。 趣味の発表会や地域活動、あるいは学習成果の共有など、人前で話す機会は意外と多いものです。その際、話の内容を視覚的に補足し、より分かりやすく伝えるための「プレゼンテーション資料」は大変役立ちます。
しかし、「パソコンでの資料作りは難しそう」「どんなツールを使えばいいのか分からない」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください。このガイドでは、デジタルツールに不慣れな方でも安心して始められるよう、無料で使えるオンラインツール「Google スライド」を活用した、分かりやすいプレゼンテーション資料の作成方法を段階的に解説いたします。
プレゼンテーション資料を作る目的とメリット
プレゼンテーション資料は、ただ情報を羅列するものではありません。聞き手が内容を理解し、興味を持ち、記憶に残すことを助けるための強力なツールです。
プレゼンテーション資料の主な目的
- 情報の整理と構造化: 話す内容を論理的に整理し、聞き手が追いやすい流れを作ります。
- 視覚的補助: 文字だけでは伝わりにくい情報を、図や写真、グラフなどで分かりやすく示します。
- 記憶の定着: 視覚と聴覚の両方からアプローチすることで、内容がより記憶に残りやすくなります。
- 話し手のサポート: 資料があることで、話し手は自信を持って話を進めることができます。
大人が学ぶ上でのメリット
- 表現力の向上: 自分の考えや知識を効果的に伝える力が身につきます。
- デジタルスキルの習得: オンラインツールに触れることで、現代社会で役立つ基本的なデジタルリテラシーが向上します。
- 自信の醸成: 自分で資料を作成し発表する経験は、新たな挑戦への自信につながります。
事前準備:良い資料を作るための三つのステップ
実際にツールを使い始める前に、まずは資料作りの「設計図」を考えることが大切です。
1. 伝えたい「たった一つ」のメッセージを決める
資料を通じて、聞き手に最も伝えたいことは何でしょうか。あれもこれもと詰め込むのではなく、核となるメッセージを一つに絞り込むことが、分かりやすい資料の第一歩です。
2. 聞き手を想像する
誰に向けて話すのかによって、使う言葉や情報の深さ、デザインの雰囲気は大きく変わります。聞き手が「何を知りたいのか」「どのような知識レベルなのか」を具体的に想像してみてください。
3. 話の流れ(構成)を考える
プレゼンテーションは、一本のストーリーのように展開すると、聞き手は内容を追いやすくなります。 一般的な構成例としては、以下のような流れが考えられます。
- 導入: 挨拶、自己紹介、今日のテーマと目的
- 本題: メインとなる情報、具体的な事例や解説
- まとめ: 要点の振り返り、聞き手へのメッセージ、質疑応答
これらの要素を盛り込みつつ、伝えたいメッセージが最も効果的に伝わる流れを考えてみましょう。
無料オンラインツール「Google スライド」を使ってみましょう
今回ご紹介するのは、Googleが提供する無料のオンラインプレゼンテーションツール「Google スライド」です。インターネット環境があれば、パソコンのブラウザからすぐに利用でき、作成した資料は自動で保存されます。
1. Google アカウントの準備
Google スライドを利用するには、Google アカウントが必要です。もしお持ちでない場合は、無料で簡単に作成できます。「Google アカウント 作成」で検索すると、作成手順が表示されます。
2. Google スライドを開く
Google アカウントにログインした状態で、ブラウザのアドレスバーに「slides.google.com」と入力するか、Googleのトップページから「Google アプリ」(9つの点が並んだアイコン)をクリックし、「スライド」を選択してください。
新しいプレゼンテーションを作成するには、「空白のプレゼンテーション」をクリックします。
(ここに「Google スライドの新規作成画面」のスクリーンショットを挿入する指示)
3. 基本操作を覚えましょう
Google スライドの画面は、主に以下の部分で構成されています。
- スライドペイン(左側): 各スライドのサムネイル(縮小画像)が表示されます。ここでスライドの追加、削除、順序の変更ができます。
- 編集エリア(中央): 現在選択されているスライドの内容を編集する場所です。
- ツールバー(上部): 文字の大きさや色、図形の挿入など、様々な編集機能がアイコンで並んでいます。
- テーマ(右側): スライド全体のデザインを選択できます。
(ここに「Google スライドの基本画面(各部名称の注釈付き)」のスクリーンショットを挿入する指示)
新しいスライドの追加
左側のスライドペインで、新しいスライドを追加したい場所の直前のスライドを選択し、ツールバーの「新しいスライド」(+アイコン)をクリックします。または、「挿入」メニューから「新しいスライド」を選びます。
テーマの選択
右側の「テーマ」ペインから、好みのデザインを選択してみましょう。全体の雰囲気が一瞬で変わります。テーマは後からでも変更可能です。
4. スライドに内容を盛り込む
いよいよ具体的な内容をスライドに入れていきます。
文字の入力と装飾
スライド内の「クリックしてタイトルを追加」や「クリックしてテキストを追加」と書かれた箇所をクリックすると、文字を入力できます。 入力した文字は、ツールバーのアイコンを使って、フォントの種類、大きさ、色、太字、斜体などを変更できます。
ポイント: * 一スライド一メッセージ: 一枚のスライドには、一つの重要なメッセージだけを盛り込むように意識しましょう。 * 箇条書きの活用: 長文は避け、箇条書き(リスト形式)を使うと読みやすくなります。 * 文字の大きさ: 後ろの席の人からも読めるように、十分な大きさの文字を選びましょう。目安として、タイトルは30ポイント以上、本文は20ポイント以上が望ましいとされます。
図や写真の挿入
視覚的な情報は、メッセージを強力に補強します。
- ツールバーの「画像を挿入」アイコンをクリックします。
- 「パソコンからアップロード」「ウェブを検索」「Google ドライブ」など、挿入元を選びます。
- 「ウェブを検索」 を選ぶと、Googleの検索機能を使って著作権フリーの画像を直接探すことができます。キーワードを入力して検索し、使いたい画像を選択して「挿入」をクリックします。
- 挿入された画像は、四隅のハンドルをドラッグすることで大きさを調整できます。また、クリックしてドラッグすると位置を移動できます。
(ここに「Google スライドでの画像挿入メニュー」のスクリーンショットを挿入する指示)
ポイント: * 著作権に注意: ウェブ上の画像を無断で使用しないよう注意が必要です。「ウェブを検索」機能を使うか、無料素材サイトなどを利用しましょう。 * 高画質な画像: きれいな写真を使うと、資料全体の品質が高まります。 * 適度な余白: スライドに情報を詰め込みすぎず、適度な余白(ブランクスペース)を設けることで、見る人が疲れにくくなります。
5. 資料の確認と発表
内容が完成したら、一度最初から最後まで通して確認してみましょう。
- 誤字脱字はありませんか?
- 話の流れは自然ですか?
- 文字の大きさは適切ですか?
- 伝えたいメッセージは明確に伝わりますか?
発表練習をしてみるのも良い方法です。実際に声に出して話しながら資料を確認することで、改善点が見つかることがあります。
応用と継続のヒント
1. アニメーションや画面切り替え効果の活用
Google スライドには、文字や図を動かしたり、スライドが切り替わる際の演出(トランジション)を加える機能もあります。これらを効果的に使うと、より魅力的なプレゼンテーションになります。 ただし、多用しすぎるとかえって見づらくなることもありますので、控えめに、ここぞという場所で使うのがおすすめです。
- アニメーションの追加: 動かしたいオブジェクト(文字、図など)を選択し、ツールバーの「アニメーション」をクリックして設定します。
- 画面切り替え(トランジション)の追加: 左側のスライドペインでスライドを選択し、ツールバーの「トランジション」をクリックして設定します。
2. 発表者ツールを使う
Google スライドには「発表者ツール」という便利な機能があります。これを使うと、自分だけが次のスライドのプレビューや、メモ(発表者ノート)を見ながら発表できます。 発表中に落ち着いて話すための心強い味方になりますので、ぜひ一度試してみてください。
3. 他のツールにも挑戦してみる
Google スライドに慣れてきたら、Microsoft PowerPoint(有料の場合が多いですが、機能が豊富です)やCanva(デザイン性の高い資料を簡単に作れます)など、他のプレゼンテーションツールにも挑戦してみるのも良いでしょう。それぞれのツールの特徴を理解することで、用途に応じた最適な選択ができるようになります。
まとめ
本記事では、分かりやすいプレゼンテーション資料を作成するための基礎知識と、無料オンラインツール「Google スライド」の基本的な使い方をご紹介しました。
学び直しの目的でプレゼンテーションスキルを身につけることは、単に資料を作るだけでなく、情報を整理し、論理的に伝える力を養うことにつながります。最初は戸惑うこともあるかもしれませんが、一つ一つのステップを焦らずに進めていくことが大切です。
ぜひ、このガイドを参考に、ご自身のアイデアや学びの成果をプレゼンテーション資料として形にしてみてください。練習を重ねるごとに、きっとあなたの表現の幅は大きく広がるはずです。
次回の記事では、作成したプレゼンテーションをさらに魅力的にするための「話し方のコツ」や「質疑応答の準備」について、詳しく解説する予定です。そちらもどうぞお楽しみに。